11月3日、ベトナム航空局とベトナム航空は、韓国釜山・金海国際空港における4月末のベトナム航空VN970便の着陸時トラブルについて公式発表した。韓国メディアは、操縦に加わっていた韓国籍のパイロットKim Tae Hun氏が飛行経験を虚偽申告しているのではないかと報じていた。
11月2日、ベトナム航空はこの事件について航空局に報告した。
これによると釜山の空港に着陸する際に副機長Kim Tae Hun氏が操縦し、着陸が安定しなかったことから機長が操縦を代わった。これにより韓国当局がベトナム航空に対し、着陸時に副機長に操縦を認め、機長がこれを代わることができたか明らかにするよう求めていた。
同航空の規則では、副機長にも着陸時に操縦する権利があり、航空機が安定しない場合は、機長が交代することが認められている。また、同航空の報告によるとこのパイロットは今年8月にベトナム航空を退社している。
韓国メディアが、Kim Tae Hun氏がA320型機の飛行経験が1時間しかないものの、ベトナム航空に680時間あると虚偽申告していたと報道していることについて、ベトナム航空局ライ・スアン・タイン副局長は、証明書を再確認したが違反は見つかっていないとした。ただ同氏のパイロット免許を交付したインドネシア航空当局や、以前に勤務していた航空会社と協力し、実際の飛行時間を確認するという。
タイン氏によると、仮に虚偽申告があれば、刑事責任追及にあたる深刻な事態となる。
VN970便は4月25日にホーチミン市を発ち、26日に釜山の空港に到着、エアバスA321型機で運航され154人が搭乗していた。最初の着陸が成功しなかったため機長ヴオン・ヴァン・ミー氏が2回目の着陸を試み、安全に成功させた。
航空局幹部によると、現在ベトナム航空の外国人パイロットは、航空機を直ちに操縦できる飛行経験を持つ者を採用している。育成機関の交付した民間航空機操縦免許以外に、パイロットは同航空の要請に基づく飛行時間をクリアし、操縦を希望する航空機での実際の検査がなされる。これらをクリアしてベトナム航空は航空局に検査を要請、この検査をパスし操縦が可能になる。
ベトナム航空にはベトナム人以外に、約150人の外国人パイロットがいる。