新型インフルエンザについて、医薬品メーカーの世界保健機関(WHO)へのロビー活動により危険性が誇張されたと指摘されている問題に関連し、世論はWHOが支援するワクチンについて不安を感じている。
WHOがベトナムに支援を約束している新型インフルワクチンは120万回分。最終期限は2010年2月だが、ベトナム医薬品管理局チャン・クオック・クオン局長によると、ワクチンがこの期限通りにベトナムに入ることはない。
2009年12月29日に同局はワクチンメーカー3社からの書類を受け取ったが、ベトナムでの流通許可前の安全性を検査するサンプルはまだない。一方でワクチンの安全性を確認する作業は3?6カ月かかる。
保健省チン・クアン・フアン次官によると、このワクチンはベトナムに初めて輸入されるワクチンとして扱う。つまり省で動物実験をした後に、免疫反応や副作用、人間に使用できるかの確認作業を進め、これをクリアして一般への接種となるが、はじめは危険性の高い対象となり、これに4カ月以上の妊婦80万人が含まれる。
なお医学総会のファム・ソン会長は、保健省の対応は正しいが、臨床検査や生産プロセスの確認なども進めなければならないとし「多くの国で使用していないワクチンを接種すれば、国民を実験台にすることになりかねない」として、慎重に進めるべきと話している。
なお保健省では、医薬品メーカーのロビー活動疑惑を確認する文書を在ベトナムのWHO事務所に送っており、またWHOが支援するワクチン接種計画を含む、新型インフル対策継続のための正式な勧告を求めている。