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2008年03月11日

ベトナム戦争映画の中止の内幕

 40年前、クアンガイ省ソンミー村で発生した虐殺事件を題材にしたオリバー・ストーン監督の映画『Pinkville』の制作が中止されることになった。

 撮影はベトナムではなくタイで行われることになっていたが、それもかなわなくなった。これについて衣装・小道具を担当したレ・リー・ハイスリップさんにお話を伺った。

Q: 制作中止は正式決定ですか?

A: 確かな情報です。ストーン監督から直々にメール、ファックス、電話で連絡がありました。

Q: 当時のソンミーの様子を再現するために多くのものを準備されました。それはタイにも移されました。

A: 私たちは40年前そのままの農具や服、道具を手に入れることに全力を注いでいました。タイにも似たような衣装がありますが、ベトナムのものは独自の色彩や文化を持ち、ベトナム人独特の魂を宿しており、間違いなく映画の成功に大きく貢献するものです。

 この撮影に使われなければ、同じテーマの別の映画を待つ以外に使い道はありません。しかし監督はこれっきりにせず、ブッシュ大統領を題材にした映画の制作終了後にまたPinkvilleへ戻ってくると信じています。

Q: 監督の心情はどうでしょうか。他の映画が制作中止になったときとは違う特別の想いがおありなのでしょうか。

A: もちろん特別です。電話では最初は怒っていましたが、やがて悲しみに満ちた声に変わりました。私も大変ショックでしたが、努めて平静を保ちながら、「縁がなかったのですよ。縁がないまま進めても良いものはできません。

 縁が巡ってきたときには、やめようと思ってもやめられないものです」と励ましました。すると彼は少し安心した様子でした。私も45周年、50周年のときにまたチャンスがあるかもしれないと思っています。

Q: 制作中止の理由は何なのでしょうか?

A: 複数の要因が重なったためです。まずはアメリカ脚本家組合のストライキがあります。しかし最大の原因は俳優ブルース・ウィリス氏の降板です。この降板を受け、トム・クルーズ氏が経営する映画会社United Artistsも手を引くと言ってきました。制作続行にはまた一からやり直しということになり、断念せざるを得なくなりました。

Q: ブルース・ウィリス氏の降板理由は?

A: 私が提案した脚本の最後の部分の変更によるものです。どの映画を見ても最後の部分はThe endとあって、音楽が流れ、エンドロールへと続きますが、これでは普通すぎます。

 私は音楽の代わりに虐殺された人々の霊を静めるために僧侶によるお経を流すという意見を出しました。監督はこのアイデアをとても気に入ってくれ、撮影の予算も承認されました。しかしウィリス氏は強く反発しました

 彼は普段アクション映画などの出演が多く、慈悲深さや平和というものには無縁なので私が提案した鎮魂という意図は受け入れられなかったのでしょう。

 ウィリス氏の降板により他に様々な影響もあらわれ、1日撮影を休めば数万ドルの損失が出るという状況だったため最終的に中止することになりました。しかし監督はこれっきりにする人ではありません。私は今後も彼についていきます。

Q: ベトナム人として、今後も監督がベトナムをテーマにした作品を作ってくれるよう促す責任があるとお考えですか?

A: もちろんそうしたいと思っています。しかし難しいとも感じています。昨年7月、ミーソンでの調査を終え、ダナン空港から帰国の途へつこうとしたとき、記者たちに囲まれた監督は私の手をとり小さな声で「レ・リー、タイにするよ。ここはめちゃくちゃだ」と言ったのです。私は心臓が飛び出そうになったことを覚えています。

 私はその後ベトナムで撮影することを説得する決意でその場の記者たちには何も言わないことにしました。しかしベトナムで数カ月作業をするうちにタイで撮影するという選択は正しいものだと考えるようになっていました。

Q: どういうことでしょうか?

A: 例えば、誰かと仕事をする必要があるとき、ある人は「あなたをお迎えできてうれしいです。最善の条件を整えましょう。ぜひ来てください」と言います。もう一方は「さてどうでしょうか。やってみてください」と言います。あなたならどちらと一緒に仕事をしたいと思いますか?

Q: それは文化的な表現や習慣的なものでしょう。ものごとの本質とは違うのでは?

A: われわれは熱心な受け答えや協力を求めています。私は故郷を愛していますがプロとしてスムーズに仕事を進めたいと考えています。

 ベトナム側がオリバー・ストーン監督が素晴らしくベトナムにとって正しい認識を持った脚本を持っていることを理解し、監督が映画を制作するのに良い条件を整えさえすれば、監督側の準備は万端です。個人的には故郷で制作するのはこの上ない幸せです。

(Tuoi Tre)

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