もう疲れた、死にたい――カントー市の中学教師グエン・ティ・ビック・ニュンさんはこう話す。
ニュンさんはカントー市チャン・ゴック・クエ中学校で音楽教師を務めていた。2005?2006年期、彼女が教えていた480人のうち、11人が基準以下の点をとり、「良」以上の生徒も学校の達成目標の65%に届かなかった。
これに対しチャン・ディン・フー副校長は自ら追試を行ったが、結果は低かった。その後フー氏は、全体的に生徒の成績が悪かった試験を「なかった」ことにし、成績が上がるようにして欲しいとニュンさんに求めたが、これを彼女は拒否した。
これを受けフー氏は、ニュンさんの勤務停止を決定、成績の悪かった試験を「封印」、結果、生徒の成績は「目標」を達成した。その後ニュンさんは、学校側から毎日反省文を書くことを強いられ、それを嫌った彼女は2006?2007年期、図書室勤務を言い渡された。
その夏彼女が故郷ハタイ省に帰省すると、そこで音楽教員の募集があることを知った。異動を願い出たところ、チャン・ゴック・クエ校側は同意したものの、彼女の評価書には「普通」と記入した。本来ならば「優秀」と評価されるべきだったのだが。
彼女が区教育訓練室に陳情したところ、同室長は「ニュン氏の陳情書には事実と異なる記述があり、取り下げを求める」との決定を下し、「チャン・ゴック・クエ校側は、組織の威信に悪影響を及ぼしたニュン氏の処分手続きを行わねばならない」とした。
教育訓練省の指導もあり、ニュンさんに対する区教育訓練室の決定は取り下げられ、チャン・ゴック・クエ校側からの評価も「良」に修正、同市内の別の学校への異動も実現した。
だがこの一件は彼女の生活に重くのしかかり、「常に誰かに見張られている」ようであるため、住む場所すら公にできない。以前は44kgあった体重も、今では38kgにまで減ってしまった。