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2009年07月28日

目に光を、日本人医師の活動

 眼科医・服部匡志――2002年の初めての渡越が、こうも縁深い国になるとは思っても見なかった。

 きっかけは、日本で開かれた臨床眼科学会だった。知り合ったベトナムの中央眼科病院の医師に、網膜疾患の治療と技術移転を懇願されたのだ。服部氏は、技術指導と貧しい患者に無償で手術をすることを決意した。

 服部氏を中心にベトナムでアジア失明予防の会(APBA)が設立された。白内障等の治療をし、診療費はすべて服部氏と同会が負担している。これまで7,000人が治療により視力を取り戻し、親しい人と喜びの対面を果たしている。

 ベトナムを含めアジア各国の人々は主に農業で生計を立てている。汚染された環境、空気、水に接することで白内障を患いやすく、早期治療をしないため失明しやすい。

 人々と幸せを分かち合うことは、自らの真の幸福につながると信じる服部氏は、人々の目に光を戻すため、ベトナムと日本を往来する日々を送っている。

 ベトナム各地で患者を治療し、定期的に帰国し家族を訪ね、水晶体を購入しベトナムへ持ち帰るため、勤務医のアルバイトで資金を工面している。この7年間の手術費用は50万ドル、すべて服部医師と寄金でまかなわれている。

 当初はベトナム語が分からず患者とのコミュニケーションも難しく、不安定な仕事に家族は反対した。しかし再び光を目にした患者の喜びを励みに、患者と気持ちが通じ合えば、言葉は隔たりにならないと感じるようになった。

 服部氏は父親をガンで亡くしたのを機に、医師を志すようになった。患者を肉親のように感じ、悔いの残らない治療に専念する医師を目指して、4年の浪人を経て京都府立医科大学に入学した。卒業後は国内の病院で治療にあたり、その後同僚と渡越。3カ月の滞在予定が6カ月、1年と延び現在に至る。

 ベトナムには医師の助けを必要とする患者が大勢いる。服部氏は、治療費が払えず手術を断られた6歳の男の子や、長年白内障を患っていた70歳の女性が、手術を受けて目が見えるようになったときの喜ぶ表情を、今も鮮明に覚えている。

 現在フエ市で孫と一緒に住む女性は、「今こうして孫の顔をはっきり見られて、毎日学校へ連れて行けるのは服部先生のお陰。何とお礼を言ってよいか分かりません」と感謝してやまない。医師にとって大切なのは、手術の技術だけではなく、患者の苦しみを理解できる心を持つことだと服部氏は言う。

 2007年には活動の功績が称えられ、ベトナム保健省より記念章が贈られた。これが、ベトナムでの活動への思いをいっそう強めさせた。

 現在も彼は資金や治療設備の調達のために両国を往来し、最近ではタイグエン省へ赴いた。服部氏の心とその活動で、今日もどこかでまたひとり、光を感じ愛する人と喜びの対面を果たそうとしている。

(Doanh Nhan Sai Gon Cuoi Tuan)

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