ベトナムニュース   |   ベトナム基本データ   |   トレンド

現地時刻:2017年11月23日 05時14分

トップ > 知る  > ベトナムニュース  > 文化  > 桜の国、日本の芸者

2008年10月28日

桜の国、日本の芸者

 日本人の友人に連れられ、騒がしい都市の一角にひっそり佇む家屋の木製の門前に着くと、ゆっくりと開かれ着物姿の年配の女性がお辞儀をして出迎えた。

 両脇に木々が茂る道を進むと、日本の伝統的な家屋が目の前にあった。ここがお茶屋というところらしい。

 廊下で女性が立って客を出迎え、客が靴を脱ぎ、上がるのを待ってから、準備された長机と座布団に客を案内する。部屋は広いが簡素で、私たちの席から3メートルほど離れたところに屏風が立てられた、階段1段ほどの高さの舞台がある。

 桜の国、日本の伝統文化として芸者を挙げる人は多いが、歌や踊りを披露しながら接客をする芸者の仕事は、容易ではない。

 芸者は、お茶屋や自宅で上流階級を歌や舞踊などでもてなす芸人のことを言い、当初は男性もいたが、次第に女性のみが芸を続けるようになった。芸者は18世紀から始まり19世紀に最盛期を向かえ、20世紀半ばも芸者遊びは最高の娯楽とされていたが、世界大戦が始まると衰退した。その後、復活したがすでに黄金期を終えた。国会で15歳未満の芸者見習いである舞妓を禁じたため、芸者不足にもなった。1980年には全国に1万7,000人いた芸者も、現在は京都を中心にわずか200人程度に減少している。通常芸者は、花街と呼ばれる芸者街で集団生活をする。

 宴は、餡の入った餅と一緒に小さく美しい杯に注がれた酒を楽しむところから始まる。餅は一つひとつ包装され、華やかで装飾に富んでいる。餅の中には生の葉を使用したベトナム中部の餅菓子に似たものもある。

 客1人に芸者1人づつ付き餅を開け、酒を注ぎ客が杯を口に運ぶ姿に上品に微笑む。私の隣についたのは英語のできる若い舞妓だった。

 彼女に芸者と舞妓の見分け方を教えてもらった。舞妓は芸者とは違い、カツラや付け毛を使ってはならず頭頂で自然な形に髪を結い、毎月異なる生花のかんざしを挿す。着物も毎月変わる。一般的に舞妓の着物は芸者よりも鮮やかで、年長になると優雅で深い色合いの着物を着るようになる。夏には柔らかい絹製の「絽」、秋には厚手で裏地のない「単衣」、冬には中に薄く白い絹製の襦袢をそれぞれの襟が見えるよう、少しずつずらしながら重ね着した上から厚手の「袷」を着る。

 どの季節も、着物の外側を絹製で刺繍が施された帯を何重にも巻かなければならない。芸者の背中で結ばれた帯の形が、太鼓に似ていることから太鼓結びと呼ばれる。一方、舞妓は帯の両端を床に届くほどに垂らす、だらり帯という形に結ぶ。自分一人で帯を結ぶことはとても難しく、通常は別の人に手伝ってもらいながら結ぶ。芸者が背中で帯を結び草履を履くのに対し、花魁は着物を脱ぎ着しやすいよう胸元で帯を結び、足元は下駄や足袋を履くので一目で見分けがつく。

 芸者と日本人の一般女性は化粧の仕方が異なる。芸者も舞妓もきめ細かい白粉を首元から顔に厚塗りする。頬と目元をピンク色に唇は真っ赤な紅で塗り、眉とまつ毛は黒く線を引く。髪は頭頂で高く二段に、または頭の両脇に分けて結う。

 かつては髪結い職人が週1度芸者の髪を整え、髪の形を保つため芸者は寝るときには高枕を使用していた。年長の芸者は大祭での舞台以外では白粉を塗らなくても良いとされている。髪型は現在では簡素化され、多種類のカツラから自分にあったものを選ぶようになった。

 いよいよ舞台が始まった。三味線を手にした白粉を塗っていない濃い色の着物姿の年長の芸者が一歩前へ出てお辞儀をして座り、三味線を弾きながら長唄を歌い始めた。歌い終えると芸者は三味線を横に置き、畳に両手をついて深々とお辞儀をしてからゆっくり立ち上がった。続いて2人の舞妓が三味線と小鼓の音に合わせて扇子を広げ舞い、その顔は終始厳粛だ。

 楽器には三味線のほかに笛や肩に担ぐ小鼓、腿に乗せる大鼓、畳に置く太鼓がある。芸者は華道や楽器の演奏、舞踊、吟唱、茶道など古典文芸に精通していなければならない。これらを学んだ舞妓は「衿かえ」の儀式を受け正式な芸者となる。

 宴が終わると、芸者たちが客を縁側まで見送る。最後に私を接客した舞妓に名前を聞くと、手の指ほどの小さい名刺を差し出した。

 先輩芸者のそれはやや大きめだが、それでもカルタほどの大きさだ。名刺には小蝶、小鶴など芸名が書かれているのみで、そのほかの情報は一切ない。常連客にでもならない限り、芸者の本名を知ることは難しいという。

(Nguoi Lao Dong Chu Nhat)

このページを友人に知らせる

関連記事

ミュージカル「Land me a tenor」初公演

サイゴン国際ギターフェス、12日まで

初のヌード写真展開催、18日まで

ニンビンで国際舞踊フェスティバル16〜22日

ピアニストJason Bae、9月28日に公演

ハッピードリームサーカス、9月からハノイ公演

博物館でモーツァルト演奏

KingKongの観光シンボル化NG

独ラ・ブラスバンダがHCM市公演

ピアニスト山本剛さんが越公演

VTV2の“大人向けドラマ”打ち切り

ホーチミン市交響楽団が東京公演

ミッキー来越!HCM市でマジックショー

“芸能免許”口パクで取り消し

伝統民謡ユネスコ無形文化遺産に

ベトナムTV番組、外国人MCが好評

HCM市初のビッグバンド 初公演

TV番組で口パク、450万ドンの罰金

閑古鳥が鳴く音楽喫茶

チン・コン・ソンコンサート、衰えぬ人気

歌手公演、突然の中止に失望

外国人向け舞踊劇開催、ホーチミン

家族向け小型映画館がオープン

美術展開催も才能の無駄?

著名度アップで増える副業の収入

不景気でドラマ制作も節約傾向

転身・副業で不況を乗切るモデル

貧困テーマの番組、裏に真のドラマ

生活の雑音を音楽に

修士の道を捨て、ギター職人へ

サイゴンに響いたアジアの琴音

サイゴンから来た歌う旅芸人

パイプ製の巨大楽器がお目見え

歌手、ガンのファンのため熱唱

ソン氏、名声には興味なし

芸能界、舞台裏のプロ化進む

ベトナム戦争映画の中止の内幕

ミスユニバース開催を正式発表

インターネットで歌手デビュー

聖火ランナーに歌手ミー・タム

民族楽団、21日まで日本公演

オーディション番組に疑問

アオザイ、福岡映画祭でTOP10

フンヴォンプラザにシネコン

ベトナムの歌姫、日本でCD発売

映画館、戦国時代に突入

次は台流ブーム?

ヒップホップ、ハノイ

市民劇場、11月から修復工事

スターを探せ!人気番組上陸

ミス・ユニバース、来越

記事一覧

サイゴン国際ギターフェス、12日まで ( 2017/11/08 )

北部で衣替えシーズン到来 ( 2017/11/06 )

サッカー連盟、初めてチケットをオンライン販売 ( 2017/11/03 )

簡単な科学の世界に輝く子供たち ( 2017/10/31 )

11月1〜3日に繊維産業展「HANOI TEX」開催 ( 2017/10/28 )

歴史的アオザイ展示、HCMC南部女性博物館 ( 2017/10/25 )

鳥羽美花さん展覧会,11月12日まで ( 2017/10/24 )

カントー市で11月3〜5日に越日交流祭 ( 2017/10/10 )

「INVEST DA NANG 2017 FORUM」開催 ( 2017/10/04 )

ホーチミン市国際マラソンを初開催 ( 2017/10/02 )
ベトナムニュース The Watch。週4回(月・水・金・土)電子メールでベトナム最新情報を送付、日系進出企業の定番情報収集メディアとなっています。

  カテゴリ
政治  /  経済  /  文化  /  出来事
ニュース検索
キーワード
カテゴリ

  スポンサーサイト

  注目の話題

  Promotion
広告募集

© 2006 VietnamGuide.com. All Rights Reserved