ベトナムの空港、特にタンソンニャット空港やノイバイ空港は確かに改善が進んでいる。だが、タンソンニャット空港国内線待合エリアのレストランのサービスときたらお粗末極まりないものだ。
安食堂のようなレストランだが値段は高級ホテルのそれより高く、メニューの冊子はむろんその味もひどく、従業員のサービスも話にならない。
シンガポール風焼きビーフンを注文してみれば、焦げてべたっとくっついたものが運ばれてきた。従業員に聞くと、「ビーフンはそうでなければならない」と言う。
注文した魚の煮付けにがっかりし首を振る欧米の客もいた。従業員は暇を努めて見つけ私語に夢中になり、客に呼ばれるとバタバタとやって来る。
ベトナムで最も近代的な都市ホーチミン市で、また最も重要な窓口である空港になぜ、市内の大衆食堂にも遠く及ばないレストランが存在するのか。
空港内のレストランは単に食事を提供するだけでなく、旅行客に対して従業員の接客を通してベトナムの最良の文化や仕事の作法を提示する場でなければならないのではないか。